<Skill Levels: Intermediate>
おんぶおばけ
昔々、心の優しい臆病者の若者がいました。
むかしむかし、こころのやさしいおくびょうもののわかものがいました。
Mukashi mukashi, kokoro no yasashii okubyoumono no wakamono ga imashita.
ある日の夕方、一人で山道を歩いていると、どこからともなく「おんぶしてくれ~、おんぶしてくれ~。」という奇妙な声が聞こえてきました。
あるひのゆうがた、ひとりでやまみちをあるいていると、どこからともなく「おんぶしてくれ~、おんぶしてくれ~。」というきみょうなこえがきこえてきました。
Aruhi no yuugata, hitori de yamamichi o aruite iruto, doko kara tomonaku "Onbu shitekure~, onbu shitekure~" to iu kimyouna koe ga kikoete kimashita.
「うひゃぁ~、た..たすけてくれぇ~。お化けが出た~。」と叫びながら男は逃げましたが、お化けの声はなかなか遠ざかりません。
「うひゃぁ~、た..たすけてくれぇ~。おばけがでた~。」 とさけびながらおとこはにげましたが、おばけのこえはなかなかとおざかりません。
"Uhyaa~, ta-tasukete kure~. Obake ga deta~"to sakebi nagara otoko wa nige mashita ga, obake no koe wa nakanaka toozakari masen.
その声を聞いて、男は何だかお化けが可愛そうに思えてきました。
そのこえをきいて、おとこはなんだかおばけがかわいそうにおもえてきました。
Sono koe o kiite, otoko wa nandaka obake ga kawaisou ni omoete kimashita.
「分かったから、背中に乗れ。」と 言うと、ずっしりと重いものが背中に乗っかりました。
「わかったから、せなかにのれ。」というと、ずっしりとおもいものがせなかにのっかりました。
"Wakatta kara, senaka ni nore." to iuto, zusshirito omoi mono ga senaka ni nokkari mashita.
男はあまりの重さに驚きましたが、何も言わず一目散に山をかけおりました。
おとこはあまりのおもさにおどろきましたが、なにもいわずいちもくさんにやまをかけおりました。
Otoko wa amari no omosa ni odoroki mashitaga, nanimo iwazu ichimokusan ni yama o kakeori mashita.
ようやく家に着くと、「もう、ここまで来たらいいだろう。おりてくれ。」と、お化けに頼みました。
ようやくいえにつくと、「もう、ここまできたらいいだろう。おりてくれ」と、おばけにたのみました。
Youyaku ie ni tsukuto, "Mou kokomade kitara iidarou. Orite kure."to obake ni tanomi mashita.
すると、「今日は本当にありがとう。私は人を助けるために生まれてきたのだが、ずっと山で寂しい思いをしていたのです。どうぞ大事に使ってください。」という声が聞こえました。
すると、「きょうはほんとうにありがとう。わたしはひとをたすけるためにうまれてきたのだが、ずっとやまでさみしいおもいをしていたのです。どうぞだいじにつかってください。」というこえがきこえました。
Suruto "Kyou wa hontou ni arigatou. Watashi wa hito o tasukeru tame ni umarete kita no daga, zutto yama de samishii omoi o shite ita no desu. Douzo daijini tsukatte kudasai." to iu koe ga kikoe mashita.
よく見ると、背中にしょっていたものは、小判がぎっしり入った古瓶でした。
よくみると、せなかにしょっていたものは、こばんがぎっしりはいったふるつぼでした。
Yoku miruto, senaka ni shotte ita mono wa, koban ga gisshiri haitta furutsubo deshita.
どうやら、山に捨てられた小判のお化けだったようです。
どうやら、やまにすてられたこばんのおばけだったようです。
Douyara, yama ni suterareta koban no obake datta you desu.
こうして、心の優しい若者はお金持ちになり、幸せに暮らしました。
こうして、こころのやさしいわかものはおかねもちになり、しあわせにくらしました。
Koushite, kokoro no yasashii wakamono wa okanemochi ni nari, shiawase ni kurashi mashita.
おしまい。
Oshimai.
おんぶおばけ
昔々、心の優しい臆病者の若者がいました。
むかしむかし、こころのやさしいおくびょうもののわかものがいました。
Mukashi mukashi, kokoro no yasashii okubyoumono no wakamono ga imashita.
ある日の夕方、一人で山道を歩いていると、どこからともなく「おんぶしてくれ~、おんぶしてくれ~。」という奇妙な声が聞こえてきました。
あるひのゆうがた、ひとりでやまみちをあるいていると、どこからともなく「おんぶしてくれ~、おんぶしてくれ~。」というきみょうなこえがきこえてきました。
Aruhi no yuugata, hitori de yamamichi o aruite iruto, doko kara tomonaku "Onbu shitekure~, onbu shitekure~" to iu kimyouna koe ga kikoete kimashita.
「うひゃぁ~、た..たすけてくれぇ~。お化けが出た~。」と叫びながら男は逃げましたが、お化けの声はなかなか遠ざかりません。
「うひゃぁ~、た..たすけてくれぇ~。おばけがでた~。」 とさけびながらおとこはにげましたが、おばけのこえはなかなかとおざかりません。
"Uhyaa~, ta-tasukete kure~. Obake ga deta~"to sakebi nagara otoko wa nige mashita ga, obake no koe wa nakanaka toozakari masen.
その声を聞いて、男は何だかお化けが可愛そうに思えてきました。
そのこえをきいて、おとこはなんだかおばけがかわいそうにおもえてきました。
Sono koe o kiite, otoko wa nandaka obake ga kawaisou ni omoete kimashita.
「分かったから、背中に乗れ。」と 言うと、ずっしりと重いものが背中に乗っかりました。
「わかったから、せなかにのれ。」というと、ずっしりとおもいものがせなかにのっかりました。
"Wakatta kara, senaka ni nore." to iuto, zusshirito omoi mono ga senaka ni nokkari mashita.
男はあまりの重さに驚きましたが、何も言わず一目散に山をかけおりました。
おとこはあまりのおもさにおどろきましたが、なにもいわずいちもくさんにやまをかけおりました。
Otoko wa amari no omosa ni odoroki mashitaga, nanimo iwazu ichimokusan ni yama o kakeori mashita.
ようやく家に着くと、「もう、ここまで来たらいいだろう。おりてくれ。」と、お化けに頼みました。
ようやくいえにつくと、「もう、ここまできたらいいだろう。おりてくれ」と、おばけにたのみました。
Youyaku ie ni tsukuto, "Mou kokomade kitara iidarou. Orite kure."to obake ni tanomi mashita.
すると、「今日は本当にありがとう。私は人を助けるために生まれてきたのだが、ずっと山で寂しい思いをしていたのです。どうぞ大事に使ってください。」という声が聞こえました。
すると、「きょうはほんとうにありがとう。わたしはひとをたすけるためにうまれてきたのだが、ずっとやまでさみしいおもいをしていたのです。どうぞだいじにつかってください。」というこえがきこえました。
Suruto "Kyou wa hontou ni arigatou. Watashi wa hito o tasukeru tame ni umarete kita no daga, zutto yama de samishii omoi o shite ita no desu. Douzo daijini tsukatte kudasai." to iu koe ga kikoe mashita.
よく見ると、背中にしょっていたものは、小判がぎっしり入った古瓶でした。
よくみると、せなかにしょっていたものは、こばんがぎっしりはいったふるつぼでした。
Yoku miruto, senaka ni shotte ita mono wa, koban ga gisshiri haitta furutsubo deshita.
どうやら、山に捨てられた小判のお化けだったようです。
どうやら、やまにすてられたこばんのおばけだったようです。
Douyara, yama ni suterareta koban no obake datta you desu.
こうして、心の優しい若者はお金持ちになり、幸せに暮らしました。
こうして、こころのやさしいわかものはおかねもちになり、しあわせにくらしました。
Koushite, kokoro no yasashii wakamono wa okanemochi ni nari, shiawase ni kurashi mashita.
おしまい。
Oshimai.